前編:「100年先へ、文化が受け継がれる『仕組み』を創る」 代表・丸山が語る、創業の原点とエクスペリサスが大切にしていること 前編:「100年先へ、文化が受け継がれる『仕組み』を創る」 代表・丸山が語る、創業の原点とエクスペリサスが大切にしていること

私たちの五ツ星INTERVIEW / 

前編:「100年先へ、文化が受け継がれる『仕組み』を創る」 代表・丸山が語る、創業の原点とエクスペリサスが大切にしていること

対談

XPERISUS 採用広報担当

Interviewer:須貝(執行役員 CHRO(左))/Interviewee:丸山(代表取締役CEO(右))

 

エクスペリサスが世界中の富裕層に届ける「五ツ星の体験」は、五ツ星の人・組織・文化からしか生まれない——。

2026年4月、エクスペリサスはパーパスとバリューを刷新した。新しいパーパスは「100年先へ、文化が受け継がれる『仕組み』を創る」。シリーズAラウンドで累計12.4億円の資金調達を完了し、本格的な規模拡大フェーズへと進む今、当社は採用サイトもリニューアル。新コーナー「私たちの五ツ星」では、お客様にお届けする五ツ星の体験の源泉である、社員一人ひとり、チームの在り方、そしてカルチャーにフォーカスしていく。

シリーズ第2回・前編となる今回は、代表取締役 CEOの丸山に、執行役員 CHROの須貝がインタビュー。エクスペリサスを立ち上げた背景、商品開発で大切にしている発想、そして組織として大切にしている価値観について聞いた。

「100年先へ、文化が受け継がれる『仕組み』を創る」——創業の原点

須貝: 丸山さん、改めてになりますが、エクスペリサスを立ち上げた背景を聞かせてください。

丸山: はい。少しパーソナルな話から始めさせてください。僕は長野市の出身で父の生家は松代という場所です。真田の城下町として知られる、本当に素敵な土地ですが、今は人口が少しずつ減っていて、将来戻る家のあたりも静かに人が少なくなっています。だからこそ、この土地に根づく文化を次の世代へ残していきたいという想いが、ずっと自分の中にありました。そして、その想いが、日本各地の文化を”守る”だけでなく、”続いていく仕組み”として残したいという発想につながり、エクスペリサス創業の原点になりました。

須貝: その想いが、エクスペリサスの原点なんですね。

丸山: そうです。松代に限らず、日本中に素晴らしい焼き物があったり、誇るべき伝統工芸があったり、本当に多様で豊かな文化がある。日本って、分業制で成り立っている素晴らしい国なんですよね。たとえば刀一振りをつくるにも、刀を打つ職人さん、鞘をつくる職人さん、柄をつくる職人さんが、それぞれの技を磨き上げて関わっている。これだけ精緻なバリューチェーンが文化として残っているのは、日本ならではの特徴のひとつだと感じています。

須貝: その美しい仕組みを、これからも繋いでいきたい、ということですね。

丸山: はい。だからこそ、今が動くべきタイミングだと思っているんです。一つひとつの工程に職人技が宿っているからこそ、どの工程も次の世代へ受け渡していくことが大切。僕たちが急いでいるのは、できるだけ早く、より多くの担い手の方々と一緒に「続いていく仕組み」をつくりたいからなんです。

須貝: 上智大学、シンガポール国立大学への留学、そして投資銀行を経て、なぜ「高付加価値旅行」という切り口にたどり着かれたのでしょうか。

丸山: 留学や仕事を通じて、海外の方々と長く接する中で気づいたのは、日本のこれだけ豊富な歴史や文化が、対外的に十分には表現されきっていないということでした。海外の富裕層の方々は、一般的な評価指標だけで行き先を決めるわけではありません。彼らが心を揺さぶられるのは、その先にある哲学や思想への共感。日本がこれまで積み重ねられてきた観光資産は、十分に世界中のお客様に深く響くものだと、ずっと感じていました。

須貝: その「出合いの場」をつくる会社をやろう、と。

丸山: はい。2017年にエクスペリサスを設立しました。世界中の富裕層の方々に、日本の多様な文化との出合いを「体験・旅」という形でお届けする。結果として日本全国に経済的なインパクトが生まれ、文化の担い手の方々にきちんとお金が回り、次の世代へ文化が受け継がれていく——このモデルをつくりたかった。これが、当社のパーパス「100年先へ、文化が受け継がれる『仕組み』を創る」の原点です。

須貝: なぜ、マスではなく「富裕層」にフォーカスされたんでしょう?

丸山: 実は、とてもシンプルな理由があります。日本は観光資源ランキングで世界トップ3に入る国ですから、個人旅行で来てくださる方は、僕たちが特別なことをしなくても、自然と増えていくんですね。一方で、短い滞在でも、平均的なお客様の10倍以上の消費額を地域にもたらしてくださる方々もいらっしゃる。その方々をターゲットにしたい、と思いました。理由は、地域の環境や、そこで暮らす人々の日常を大切に守りながら、しっかりと経済的なインパクトをお返しできるからです。

須貝: 「量より質」というアプローチですね。

丸山: その通りです。1回の訪日で100万円以上を消費される高付加価値旅行者は、訪日全体の約2%(約59万人)。一方、消費額では全体の約19%、約1兆円を占めています。少人数で、消費額が大きく、リピート率も高い。これが富裕層旅行の特徴です。その中には、単に高額な消費を求めるのではなく、その土地ならではの歴史や文化、その背景にある文脈に価値を感じてくださる方々も少なくありません。地域に適正な対価が届く形で、文化に敬意や関心を持ってくださる方々に、日本のファンになっていただく。人数は少なくても、地域に深く残る価値を生み出せる——これが、僕たちが大切にしているアプローチです。

「3つの軸で高付加価値体験を設計する」——商品開発で大切にしている発想

須貝: 「高付加価値体験」って、具体的にはどう設計されているんですか?

丸山: 3つの軸があります。1つ目は希少性。2つ目は日本固有の観光資源であること。3つ目は高い品質基準です。

須貝: 希少性、というと?

丸山: 希少性にもいろいろな性質があって、時限性、限定性、季節性、教育性などですね。面白いのは、これが国によって響き方がまったく違うということなんです。たとえばアジアの方々は、時限性・限定性——「あなただけ」「この時間だけ」——のトリガーがすごく高い。一方、アメリカやヨーロッパでお子さん連れの方ですと、教育性のトリガーが大きくなる。派手な演出よりも、「自分の子どもにとってこの体験がどんな意味を持つか」が伝わると、深く響くんですよ。

須貝: 同じ体験でも、お客様によって見せ方を変える必要があるんですね。

丸山: そうです。その上で品質管理。動線設計、専属ガイドのレベル、時間配分を7時間にするのか1時間にするのか、オプションをどれくらい用意するか。ラグジュアリートラベルの世界では、オプションが多いほど質が高いと評価されます。

須貝: それはなぜですか?

丸山: 富裕層のお客様は、短い滞在の中で、1時間あたりの体験価値を最大化したいと考えています。だからこそ、選択肢やオプションがきちんと見える形になっていることが重要なんです。日本の旅館文化には、相手に合わせて柔軟に応える、素晴らしいおもてなしがあります。ただ、海外のラグジュアリー市場では、何を選べるのかが最初から整理されていること自体が、わかりやすさや満足感につながります。僕たちがやっているのは、日本の素晴らしい価値を、そうしたお客様にも伝わる形で可視化していくことです。70代の方に2時間の体験をご案内するのか、若いカップルに7時間かけて没入していただくのか。お客様ごとに最適な体験になるよう、設計と品質の基準を細かく整えています。

須貝: 具体的な事例を、いくつか教えてください。

丸山: たとえば、三菱地所さんとご一緒している丸の内エリアの人力車です。人力車というと京都や浅草を思い浮かべるかもしれませんが、僕たちが丸の内で提供している価値は少し違います。東京駅周辺には、丸の内、有楽町、銀座、日本橋と、個性の異なるエリアがコンパクトに集まっています。歩くには広く、車では速すぎる。その間を埋める移動体験として、人力車の時速10kmという速度がちょうどいいんです。そこにパーソナルガイドを組み合わせることで、街の観光資源を1〜2時間で楽しめる体験として設計し直した。人力車を売っているのではなく、エリアの魅力を最もよく味わっていただく手段として、人力車を選んでいます。

須貝: 街の魅力を体験していただくための「手段」として、人力車を位置づけているのですね。

丸山: はい。同じ発想で、企業様のアセットそのものを観光資源として価値転換する取り組みも進めています。日本に来たからこそ味わいたい日本のラグジュアリーブランド、地方でしか出会えない伝統工芸、その地でしか聴けない物語——こうしたアセットを高付加価値体験として再構築し、世界の富裕層に提供する。企業さんにとっても、新規マーケットへのアクセスにつながり、地域や担い手の方々に適正な対価がきちんと届く設計になっています。物販にもつながりますし、帰国後も日本のファンでい続けてくださる方が継続的に増えていきます。

須貝: 2017年から数えて、どのくらいの体験を開発されてきましたか?

丸山: 開発自体は、数百タイプの体験構造を、日本全国でつくってきています。対象のお客様は欧米がほとんどで、1回の旅行で300万〜1,000万円程度を使われる、いわゆる「モダンラグジュアリー層」が中心です。豪華絢爛よりも、本質的な価値を求める方々と、丁寧にお付き合いさせていただいています。

「Purpose・Valueに、組織の哲学を込める」——エクスペリサスが大切にしていること

須貝: 2026年4月に、パーパスとバリューを刷新されましたね。改めて、その意図を聞かせてください。

丸山: はい。これまで掲げてきたMission・Vision・Valueを、シンプルにPurpose(存在意義)とValue(価値観)の二軸に整理しました。事業の規模拡大が進み、関わってくださるステークホルダーも多様になってきたなかで、全メンバーが共通の哲学と価値観のもとで判断・行動できる基盤を、よりシャープな形で持っておきたかったんです。

須貝: パーパスは、「100年先へ、文化が受け継がれる『仕組み』を創る」。

丸山: はい。日本各地に高付加価値な旅・体験を構築し、世界中の富裕層を持続的に送客する社会インフラを実装することで、日本のファンを創出し、地方創生を加速させる。地域の文化が経済的に持続可能となり、次の世代へと受け継がれていく仕組みを、僕たちが維持し続ける——会社の目的を、この一文に凝縮しました。

須貝: コアバリューは3つに整理されましたね。

丸山: はい。「誠実」、そして「Purpose Driven」と「AI Narrative」。この3つを、僕たちは日々の判断基準として使っています。

須貝: まず、「誠実」について。

丸山: エクスペリサスは性善説をベースに置いてきた会社です。富裕層エージェントやコンソーシアム、地域の職人さん、自治体の方々、そして社内のメンバー同士——どんな相手であっても、「誠実であること」を最も大切にしたい。シンプルですが、これが当社の一義的なCore Valueです。

須貝: 次に、「Purpose Driven」。

丸山: 日本の文化は刻一刻と変化しています。次の世代に受け継いでいくためには、最速でパーパスを実現するためにどうすればいいかを常に考え、素早く行動することが必要です。これは、僕たちが少しでも早く「続いていく仕組み」を整えるための、根本的なスタンスです。

須貝: そして3つ目の「AI Narrative」。

丸山: これは僕の中でも特に大きな実感のあるバリューです。AIが「効率の領域」を、人が「意味の領域」を担う。AIに任せるべき領域はしっかりAIに任せ、人は「お客様にとっての意味」「共感の創造」という、最も人間らしい仕事に集中する。AIと人が共進化できる組織をつくり、新しい価値を創出し続ける——これを組織の前提として設計しています。

須貝: 「誠実」「Purpose Driven」「AI Narrative」——丸山さんの中で、それぞれは強く繋がっているように感じます。

丸山: はい、繋がっています。誠実だからこそ、Purposeに向かってまっすぐ動ける。Purpose Drivenだからこそ、AIや新しいテクノロジーも味方につけて動ける。3つは独立した価値観ではなく、僕たちが「五ツ星」を組織として体現するための、ひとつの軸として機能しています。

 

前編はここまで。後編では、これらのパーパス・バリューを土台に、エクスペリサスが描くこれからの展望と、一緒に「私たちの五ツ星」をつくっていく仲間像について、丸山が語ります。

 


エクスペリサス株式会社では、事業の成長に向けて積極的に採用を行っています。カジュアル面談も随時受け付けておりますので、少しでも興味を持っていただけた方は、ぜひお気軽にご連絡ください。

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